おかげさまでわが家も先日めでたく完成し、引き渡し、引っ越しが完了いたしました。今回は総まとめとして設計のポイントの残りの話題と、工事の総括をアップします。

わが家の設計のポイントその4

2階天井の構造

 二階天井は全面ウレタンパネル80ミリの上にセルロースを250ミリ吹き込むという最強の仕様となった。社長曰くウレタンの80ミリは「おまけ」だそうだ。二階屋根は寄せ棟なのだが、寄せ棟は切妻に比べ棟換気が難しいため夏場は天井からの熱がやや懸念され、このようにしたとのことである。FPでは屋根の遮熱にはFP遮断パネルを使うことも多いようだがわが家の場合、二階は小屋裏利用もしないためこのような仕様が可能となった。実験的な試みなので夏場の小屋裏等の温度データを計測することになっている。当サイトでは再三新潟の冬の厳しさを強調しているが、実は新潟は夏の暑さも相当なもので、年に数日特に日本本土への台風の接近でフェーン現象が生じた時など猛烈な暑さに見舞われることがある。新居では太陽光発電装置で南側の瓦への直射日光が遮られることもあわせ、旧宅のような夏場の天井からの輻射熱で困ることは無いことを期待したい。

真壁に105ミリパネル

 一階親世帯寝室の壁は真壁工法だが通常では75ミリのパネルを使うところ105ミリパネルを使っている。大壁工法では柱と同じ厚さの105ミリを確保できるFP軸組工法も、真壁の場合、室内側に柱を浮き出させるため断熱を犠牲にしてやや薄い75ミリパネルを使わざるを得ないわけだ。したがって、105ミリを使えば外壁側では当然その差の30ミリ分パネルが柱の外側に飛び出てしまうことになる。それはまずいというので柱の部分にスチレンフォームの当てをかませて隙間を無くしたという。そもそも真壁では75ミリが標準と言うことも私は知らなかった位で、105ミリパネルを使うことはこちらからお願いした施工方法ではないが、やや面倒な工事だったと思う。何と言ってもパネルの絶対的な厚さが断熱には重要だ。特に年寄りが住む部屋なのでこの細かい配慮はありがたい。


ロフトその後

 工事があらかた進んでから急に私が思い立って設置してもらったロフトのその後である。当初一階キッチンカウンター前のホールから梯子で出入りすることを想定していたが、梯子を降ろすスペースが確保できず、壁に穴を開け二階から小さいくぐり戸で出入りすることになった。結果的には二階から段差無しでの安全な出入りが可能になり、くぐり戸なので大物こそ無理だが出し入れ等使い勝手が良くなった。あわせてロフトからの転落を防止するためこれ以上無い位頑丈な柵をつけてもらった。ロフトの床から天井までの高さは最も高いところでも子供がやっと立てるくらいだが、低いからかえって落ち着くというか、隠し部屋的なおもしろい空間が出来たと思う。またキッチンの真上に位置するので互いに姿は見えないものの、料理中の妻と二階の子供の間で話が出来るという利点もありそうだ。

工事の総括
C値Q値

 C値は0.623、Q値は1.59となった。正直な話、C値は0.5を切る程度をひそかに期待していたのだが、おそらく一階南面に大きな引き違いの掃き出し窓を切ったのが仇となり、FPの家の平均値(平成13年度で0.58)をやや上回ってしまった。気密測定には私も立ち会ったが当日が折悪しく雨だったため、換気口への外からの目張りができなかったことも多少測定に不利になったようだ。設計の段階で引き違い窓を何カ所か開き窓またはFix窓に置き替える等、施主としてもう少し気密にこだわれば良かったかなとも思うが、南側の大きな開口と第三種換気を機能させるに十分な気密性能を両立できたことは間違いないので不満はない。また、Q値は当初から次世代省エネ基準1地区の1.6を下回って欲しい旨伝えていたので工務店としてもそれをぎりぎり下回る数字が出、胸をなで下ろしたことだろう。結果的には4地区に区分されている当地においては、将来に渡って高気密高断熱住宅として通用する家が出来たと思う。


工期

 途中FPパネルの搬入がお盆休みの時期に掛かり、一時工事がほとんどストップしたがその後順調に遅れを取り戻して結果的には予定より早く完工した。仮住まい期間は約5か月であった。プレカット化、ユニット化、部材・設備等の供給の効率化が工期の短縮に貢献しているのだろう。昔、私が子供の頃は結構工事が止まったような現場も多く、そんなところは子供の格好の遊び場になっていた。梁から落ちて(飛び降りて)怪我をし、医者に運ばれた仲間もいる。そんな時代ののんびりした大工仕事に比べれば工期はずいぶん短くなったという印象だ。仮住まいも経験してみると最初のうちは工事の遅れを心配したり、不慣れな生活でなにかと大変だったものの、一旦生活が軌道に乗った後は、工事の進捗を見ながら週末に少しずつ打ち合わせを進め完成を待つ日々は驚きとワクワクの連続だった。むしろ、今となっては工事が終わってしまうことが少し寂しいくらいで、一か月や二か月工期が短くなったとしても大してうれしくなかったろうというのが正直な感想だ。建て替えに踏み切る前は工期は短ければ短いほど良いと思うのは人情だが、家というのはきわめて長期に渡って使う二度と買えない高価な品物である。ユニット工法系のハウスメーカーでは仮住まい期間が短いことを売りにしているところもあるようだが、よほど特別な事情のある方以外は工期の短さに惑わされず、あくまで出来上がったときの性能を施工業者選択の第一の基準にされる方がいいと思う。


坪単価

 さて、FPの家具体化の時代として長々書いたこの章も最後の項となりました。テレビ番組建てもの探訪なら渡辺篤史氏が「新潟で北海道並の気密断熱性能を実現した越後邸、建築費はウン千何百万円、坪単価は○○万円でした。」とまとめるところですが、終わりに当たってこちらもお金の話を少々。といってもネットでわが家の台所事情を全て公開するわけにはいかないので、これからFPの家を建てる方の参考になるよう、ひとつの目安として工務店が出してきた第一回目の見積もりに基づき、旧宅の解体に始まる以下の一切合切の経費を延べ床面積で割った概算の坪単価を公開することとする。というのも、大手ハウスメーカーに良く見られる低目の本体価格坪単価を当初提示し、仮契約(などという言葉が存在するらしいが、その言葉自体おかしいと私は思う。今回お願いした工務店との交渉では終始そのような言葉はなかった。)後に別途経費、オプション追加費用たっぷり、という先の見えない見積もりより、はじめから経費総額を見積もるこのような方法が施主側として資金計画も立てやすく実際的と思うからである。

解体、整地、各種仮設工事、ベタ基礎、防火サイディング外壁、三州瓦屋根、(この見積もりの段階ではLow-Eではない通常の)ペアガラス樹脂サッシ、断熱ドア、網戸、室内建具、電気・給排水工事、タカラシステムキッチン(レミュー2、IHクッキングヒーター、食器洗い機含む)、造作棚、床下収納箱、タカラシステムバス(ルシエール)、トイレ洗面各二カ所、エコキュート、冷暖房機器(エアコン及び蓄熱暖房機)、フレクト換気システム、フェンス、カーポートコンクリート打設、照明器具、テレビ付インターホン、バルコニー、物干し、テレビアンテナ取り付け、各種申請手数料、連絡事務費、消費税等々

以上考えうるほとんど全てを含んだ、ごく一般的なこの仮想FPの家のコミコミ見積もり坪単価はちょうど約60万円であった。風呂、台所、トイレ等は最高級品からワンランク落とした社長曰く、「最もコストパフォーマンスが高い価格帯」の品である。私が実際に建てた家はこの見積もりとは異なる仕様となったが、このままお願いしていたら、当然の事ながらこの価格でこの仕様の家が出来ていたことは間違いなく、仮想とは言え大いに現実味のあるプランである。引っ越しも工務店にお願いし専門業者を頼まなかったのでこの他に必要なのは

契約時印紙代、カーテン、仮住まい経費、祭事(上棟式、地鎮祭)費用、ご近所挨拶回り粗品、現場差し入れ茶菓代、登記費用、ローン経費、不動産取得税、電話移設費(2回)、必要に応じ地盤改良工事費

くらいだ。わが家の場合、前述の通りこの工務店以外の見積もりは一切取らなかったため他の業者とは比較できないし、建築面積や設備建材等の等級、施工する地域によっても坪単価は大いに変わってくるのでFPの家の一般論ではないことは言うまでもない。しかも、比較の対象とすべき大手ハウスメーカーは前述の通り建築に掛かる全ての金額が契約前の段階で明示されない場合も多かったり、そもそもこのレベルの高気密高断熱住宅は地域によっては基本的に対応不可能と考えられるので、ますます契約前の段階での比較は難しいところだ。とはいえ、次世代省エネ基準1地区という現状において最も厳しい公的温熱環境基準をクリアし、耐振性、防火性も十分なオール電化の高性能住宅に支払うお金が最終的にこれ位というのは大手ではちょっと考えられないお買得価格と言っていいのではなかろうか。
 また、聞くところではFPの家はそうでない一般的な住宅に比べ概算で坪単価が5万円高くなると見ておけばよいとのことである。わが家の場合、さきの見積もり上のFPの家の必須要件であるFPパネルと外部建具(樹脂サッシ、断熱ドア)、換気システムの金額を合計し延べ床面積で割ると約10万円だから、FP以外の家で一般的なグラスウール、アルミサッシ、局所換気との差額を計算すると確かにそんなものかも知れない(かなりおおざっぱですが)。住宅金融公庫の新潟県における木造在来工法平均坪単価は平成13年度で54.86万円だから、やはり坪単価差額5万円というのは我が家の見積もり単価約60万円と照らし合わせると妙に説得力がある。その計算によると延べ床面積40坪の標準的なお宅での価格差は200万円だから、30年住んだ場合平均毎月5千円から6千円光熱費が節約できればいいことになる。この程度なら十分採算は見込めるだろう。FPグループの言う「100年住宅」は多少大げさとしても、FPの家は通常の家より耐用年数が伸びる可能性が高いから光熱費と家そのものの減価償却費の節減を合計すると、数十年先、その役目を果たして解体する時に振り返ってみると経済的にはかなり有利なものになるのかもしれない。

 それでは、FPの家具体化の時代これにておしまーい。次回、「FPの家居住の時代」でお会いしましょう!

せっかくだから俺はFPの家を建てるぜ!に戻る