早いものでわが家も外構以外ほとんどの打ち合わせが終わり、あとは仕上がりを待つばかりとなってきました。そろそろ引っ越しの段取りも考えないといけません。さて、今回は一時の打ち合わせの連続も去り、引き渡しを待つエアポケットのようなこの時期に考えたつれづれをお話しします。
仮住まいで高気密高断熱住宅体験
仮住まいは今回建築をお願いした工務店が建設し管理するオール電化アパートである。このアパートは壁の断熱には厚さ60ミリのウレタンパネルを用いているという。ウレタンでその厚さだと断熱力は密度16キロのグラスウールで約120ミリにも相当する。窓も枠こそアルミだが二重サッシだ。10月も半ばになり新潟もそろそろ朝は寒くなって最低気温が10度近くまで下がる昨今だが、この家の中にいると暖房もしていないのに深夜電力利用の湯沸かし器や炊飯器が発する熱のせいもあってか、外気温が10度の朝も家の中は26度程度をキープしている。しかも室温の日内変動、部屋ごとの温度差も極めて少ない。天井と床との温度差も少なく床が冷えないのでスリッパも必要ない。結露も内側のアルミ枠に朝方少々生ずるのみだ。今年の夏は天候不順で涼しかったので暑さに関して単純な比較は出来ないが、旧宅で夏場の午後悩まされていた多分日射で暖められた家自身、特に天井の発する輻射熱による、うだるような暑さとも無縁だった。旧宅は築45.5年で、20年前に増築した部分を除き断熱材一切無しといういさぎよい家だったのでその違いは実感として極めて大きい。あらためて自分の目指す高気密高断熱住宅という方向が間違っていなかったことを確信した。新居はこのアパートよりさらに性能は高い。完成、引っ越しが今から楽しみだ。
ロフト
小屋裏利用は考えていなかったのだが、下屋であるキッチンの上に若干のスペースが出来たので急遽ロフトの設置をお願いした。あまり広くないし、梯子での上り降りになるので目方が軽く使用頻度も低い物の置き場になりそうな予感もするが、ちょっとした余裕の空間である。はじめからしっかりと計画しトップライト(天窓)もつけくぐり戸かなにかで二階と行き来出来るようにすれば回遊性が生じおもしろい空間になったかとも思うが、子供はすぐに成長するのでそんなふうに遊ぶ時期は長くない。個人の住居に遊びの要素をどれだけ盛り込む必要があるかは難しいところだ。
書院風和室
二間続きの和室の一方に書院風の床の間を設けた。床柱は黒檀である。天井はラミネート天井、壁は京壁、障子は書院障子アンド猫間障子と和室のしつらえはすべて父母の希望通り。壁も天井もクロス、簡素な床の間または床の間省略という現代和風の部屋に比べやや手間もお金も掛かるかもしれないが、今回父母には無理を言って建て替えに同意してもらった以上、この程度のことは希望通りにしてあげなくてはと頑張ったつもりだ。ただ部屋の広さ自体は6畳と広くないので、こういった本格的なしつらえが頑張りすぎになるかどうか、出来た物をみないと何とも言えないところ。使い方もふだんからよく掃除して物も置かないようにしなければかえって見苦しくなるだろう。
階段
折り返しは途中に90度方向を変える踊り場を二カ所設け、曲がり段は用いなかった。転落を予防し、また転落の際のダメージを最小限にするためである。本当は段数を3つに均等配分したかったが、梁の位置の関係で一カ所だけ6段と多くなってしまった。それでも一回折り返し曲がり段の一般的な階段より転落の可能性は下がり、転落の際のダメージも少ないと考えた。
干し姫さま
物干しは洗面所に接続する形で外に設けたが、北向きなので特に冬は乾きが悪くなることが予想される。FPに代表される高気密高断熱住宅に住んでおられる先輩のお話をネットで読むと高気密高断熱住宅は冬、室内でも湿度が低く温度が高いため結構洗濯物が乾くという。そこで工務店からの提案を受け、念のため洗面所に松下電工の干し姫さまをつけることにした。さおに洗濯物をつけたら紐を引いてつり上げ天井近くに持っていく方式(わが家では採用しなかったが電動式もある)なので脱衣や洗面、通行等の邪魔にならない。6人分の洗濯物は結構多く旧宅では冬場は多少の見苦しさと通りにくさに目をつぶって広縁や唯一就寝中を除き常時暖房していた居間にぶら下げることが多かった。新潟も年に数回は吹雪の時など昼間でも外に干した洗濯物が凍ってしまうこともある。たぶんこの干し姫さまは冬場かなり活躍されるに違いない。
プルダウンキッチン収納
対面キッチンのシンク及びカウンターの上方にプルダウン(引いて下げる棚)の収納を二つ設けた。旧宅のキッチンもシンクの上方に収納棚があったのだが踏み台を用いないと出し入れが出来なかったので死蔵品か使う頻度が極端に低いもの以外入れられなくなっていた。プルダウン収納にすることでふだん使う品物も調理者が所定の立ち位置から移動することなく気軽に出し入れできるだろう。
ハニカムロールスクリーン
カーテンの代わりに窓にはセイキ総業のハニカムロールスクリーンをつけることにした。これは一般的なカーテンに比べやや高いが、その名の通り断面が蜂の巣状で空気を含むようになっているロールスクリーンである。いくらローイーペアガラス樹脂サッシとは言え、窓は単位面積当たりの熱損失が壁に比べはるかに大きい。明るさを確保しつつ特に冬の夜間の熱損失を下げるにはこの製品が有効と考えた。また、おそらくほこりが付きにくいこと、カーテンと異なりひだが無い分部屋が広く使えること、防音性、デザイン性にも期待している。また、ツーウェイタイプは上の方だけ、あるいは雪見障子のように下の方だけ開けるといった使い方もできるようだ。問題は耐久性だがこればかりは長く使ってみないとわからない。一般的に新製品には従来の製品を凌駕するすばらしい機能を有するものも多いが、一方とんでもない欠陥が後で発見されることも少なくない。結局は自分の判断が正しいことを願うのみで、家造りにはギャンブルの要素もあるとつくづく思う。