小生はなぜFP軸組工法を選んだか

 わが家も外壁工事も進み外観は変化がほとんど無くなってきました。内部ではFPの命である気密施工も進んでいます。配線や配管等で生じた大きな隙間は現場発泡のウレタンでふさぎ、ガムテープほどの幅の銀色のテープをパネルと構造材、サッシとパネル等の接合部にまんべんなく貼っていく、というのが気密のとり方の基本のようです。かなり丁寧に施工してくれているようですが、はたしてどのくらいのC値が出るでしょうか。気密試験結果はわかり次第、当サイトで公開します。
 さて、またまた話が戻りますが私メディカル越後は、なぜFPの家を選んだのか、一言で言えば足立博先生のご著書を読みその意見に共感したと言うわけですが、一生に一度の高い買い物です。本にいくら良いことが書いてあっても自分なりに理解し、ある程度納得してからでないと最後の決断は出来ません。無い智恵を振り絞って私なりにFPの家についていろいろ調べまた考えた訳です。既に述べた話の繰り返しもあり、また所詮素人の思考過程ですので勘違いもあるかもしれませんが、一応まとめてみます。軽く読み飛ばして下さい。

 私がFPの家を選んだ理由はやはりなんと言っても足立氏の本を読んで感じたFP軸組工法の技術の優秀さ、ユニークさである。柱の太さとほぼ同じ厚さの、しかも世にあまたある断熱材の中で最高レベルの断熱性能を持つ硬質ウレタンを壁に使う、しかもウレタン自体の強度を利用して構造体の強度も上げるという発想は、まさにコロンブスの卵と思った。FP工法で行こう、ということはほぼ決めたものの父が当初全面建て替えに反対していたという前述の件もからんで、到底具体的な会社まで決められる段階ではなかったが、とりあえず一番近いところから当たってみようと平成15年1月、今回わが家の工事をお願いした工務店に建て替えについて最初に相談に訪れたわけである。応接室に通されてすぐ社長は断面が黄色いFPパネルの端切れとともに登場し、おもむろに「FPとは何ぞや」から説明を始めようとした。既に足立先生の本を読みほぼFP工法に決めていることを告げると「それならもうよくご存じですね」という具合で、説明はごく簡単に済んだが、やはり初めてお目にかかる105ミリウレタンパネルの実物の想像してた以上の厚さ、一方意外な軽さと堅さは強く印象に残った。これなら大工の腕の善し悪しに関わらず(失礼)、ほぼ半永久的に断熱性と強度が保たれるだろう、気密もパネル自体には全く空気を通す余地がない以上パネルと構造体間の施工さえ丁寧にすればC値を下げるのにさほどの無理はないのでは、と思った。北海道や北東北ほどではないが新潟の冬も結構厳しく、11月以降3月までほぼ5か月間は窓閉め切りの日が多くなる。旧宅では年に数回、吹雪の夜など庭に面した幅三間の掃き出しの窓がアルミサッシごと全面凍結し、開かなくなることもあった。また台所や風呂を中心に結露によるかびや床の腐食に悩まされていたのは前述の通りである。それだけに、無骨なまでにごついFPパネルと樹脂サッシ、24時間連続換気システムの組み合わせで暖かく空気がきれいで耐久性も高い家を造るという、きわめて簡潔明瞭なコンセプトがあらためて私には信頼性が高く感じられた。技術はシンプルであるほど信頼性が高いのが世の常識というものだ。FPに決めてしまえばあとは木造軸組にするかツーバイフォーで行くかである。わが家の場合は年寄りには木造軸組工法が無難だろう、FP木造軸組工法ならこれまでの木造住宅の伝統に、筋交い、構造用合板、建築金物等近年の進歩を盛り込んだものなので多分施工側としても無理がない、また比較的新しい技術とはいえFP軸組工法も既に開発以来約20年が経過しており問題点があれば改善されているはずとも考えた。もっともウレタンこそやや軸組工法に比べ薄いものの、FPツーバイフォー(FP204と呼ぶ)の気密と耐振性の良さも捨てがたいものがあり、多少間取りを工夫してそちらを選ぶのもわが家としては正解だったかも知れない。この辺は何十年か先にならないと結論は出ないところと思う。
 その後モデルハウス(ふだんは社長のご親族のお住まいで必要に応じモデルハウスとして用いているようだ)を見学したり、建築関係のイベント会場で水に浮かぶウレタンと水を吸って沈むグラスウールといういささかベタな展示を見たり、FP軸組工法説明用パンフレットを読んで壁倍率という言葉を知り、FP筋交い入りパネルのそれが3.4(ウレタンも構造用合板も無しの枠と筋交い一本だけの普通の壁は壁倍率は2.0)と高いことを理解するうち、当初はやや理論先行であった私のFP工法への信頼はより実感を伴ったものへと変わっていったと思う。また、前述の父の反対もからんで当初はやや先が見えない状態で続けていた間取りや設備の検討も、専門家ならではの提案を反映しつつ図面を書き直してもらう回数を重ねるうち、同工務店への信頼も確固たるものになっていった。見積もりの金額も思っていたより安く、十分納得できるものであったため、結果的に他社の見積もりは一切取ることなく契約に至った次第である。

わが家の設計のポイントその2

1 寝室に配管
 これは工務店からの提案であり私は考えてもいなかったが、父母の寝室に将来トイレをつけられるよう配管してもらった。寝室併設のトイレはなかなかのアイデアと思うが、その必要が生じないことを願いたい。当面はその配管を活かし洗面所を置くことにした。お年寄りは入れ歯の手入れ等で洗面所を使う頻度が高い。また、気楽に湯茶も飲めるようあわせて電気ポット、茶ダンス等も寝室に置けば給水が億劫でなくなり就寝中の脳梗塞の予防になるかも知れない。

2 ベタ基礎、基礎パッキング工法
 基礎はベタ基礎、基礎パッキング工法となった。基礎の立ち上がりも高く土盛り(砕石転圧というらしい)もしたので、FP工法の気密断熱の良さ、計画換気も相まって旧宅のように畳の裏が真っ黒にかびるほどの湿気に悩むことはもう無さそう。もっともこの辺は全て工務店におまかせである。

3 大木を切る
 旧宅では建物の南西側にあたる位置に常緑の大木が四本あった。大きくなりすぎてほとんど素人の手には負えない高さになっており、電線に掛かりそうな部分だけ電力会社が高所作業車で定期的に枝おろしをしてくれていた。この木は冬の午後からの日差しをさえぎるが、夏は太陽の高度が高くなる関係で日射の遮蔽にはほとんど役に立たない。長年生きてきた木であるだけに魂がこもっているような気もしてくるし、エコロジーという観点からもいささか気が引けるが、思い切ってそのうちの三本を切ることにした。地鎮祭で工事の安全と合わせて御祓いしていただき、工務店に伐採してもらった。高気密高断熱住宅には南側に落葉樹を植えるというのが一つの智恵のようだが、今度は落ち葉が雨どいに詰まる、隣家の敷地や道路に葉が落ちる等の問題が出る。農家等広い敷地を持つお宅を除けば一般に庭の植樹は悩ましい問題だ。

4 広縁
 二間続きの和室と庭の間に4尺幅の広縁を設けた。旧宅では3尺幅だったので新居も3尺がいいかな、と漠然と考えていたが社長の提案で4尺とした。社長は6尺(一間)も考えていた模様。まだ縁甲板を貼っていないが見た感じでは一尺広い分余裕を感じ、4尺にして正解であった。広縁は和室の延長と考えても良いし庭と部屋をつなぐ緩衝地帯、冬はサンルームとしても使え、玄関と父母の寝室をつなぐ実用的な役割もある。あらたまったお客を和室に通すときにも以前よりゆとりがあって良いだろう。縁甲板もけやきで幅広の見栄えのするものを選んだので、この広縁はわが家のささやかな自慢になりそう。

5 物干し
 当初物干しは二階とも考えていたが、洗濯機を置く脱衣所の脇に設ければ動線的に有利と考え、脱衣所にドアを設けそこに接続する物干しをつけることにした。

6 床は表面のみ無垢
 床がどういう使われ方をするか考えると日本人は裸足、靴下、せいぜいスリッパ程度でしか床を歩かない。したがって固い靴で床を歩く欧米人のまねをしてぶ厚い高級材を用いても大して意味はないと考えた。また将来の反りの防止や手入れの簡便性を考えて表面だけ無垢(こういう場合無垢といわないのかも知れないが)の3枚重ね合板(厚さ12ミリ)とすることにした。

7 腰板
 板の間である廊下、玄関ホール、洋間の一部に腰板を採用した。見た目ゴージャス(というほどでもないが)なのとクロスより汚れや傷みに強いことを期待した。なお、照明の効果を上げるため内装材は色が薄いものを中心に選んだ。

わが家の設備のポイントその2
1 玄関ユニット
 玄関の靴箱などは、今回工事を始める前は大工が現場で一から材木を切ったり削ったりして作るものと思っていた。内装の打ち合わせに入り、靴箱もユニットが存在することを知ってびっくり。もちろん注文でお願いすることも可能だろうが、より品質が安定したものが手に入り工期の短縮にもつながるユニット化は大歓迎である。建具、床材もすべてノダというメーカーで統一したので色合わせ等悩む必要もなく大助かりだった。なお、わが家の場合建材・設備等は玄関ドア、バルコニー等ごく一部を除き工務店お勧めのメーカーの品物を採用した。ふだん扱っている品物の方が施工も慣れており、行き違いも少なくなるだろうと考えたためである。

2 階段ユニット
 もういまさら驚かないが階段もユニットで施工する。ただわが家の場合は曲がり段は転落の可能性が高く危険と考えて途中踊り場を二カ所設け、階段そのものは直線にしたので通常のユニット構成とは異なる仕様になるかも。


3 照明
 メーカーはオーデリックで統一、ほこりがつきにくいようシーリングライトを多く用いた。メーカーのカタログを見てそのぶ厚さと種類の多さにめまいがしそうになった(和風のつり下げタイプの照明にはゲゲゲの鬼太郎の父ちゃんの家風のものやら、赤い唐傘をかけた何というか「兄さん寄ってらっしゃい、花魁もお待ちです」風のものまである)が、あれこれ選んだ終わり頃にはその読み方も慣れてきた。父母の寝室からトイレまでの廊下、トイレ内部の照明にはセンサーライトをつけ、夜間のスイッチ操作を不要にした。

4 風呂
 タカラスタンダードの一番いいグレード、プレデンシアの1.25坪タイプを選んだ。わが家としてはかなりぜいたくをしたつもりだったが、実際取り付けてみるとまだ照明がされていない関係か、ショールームで見た印象と異なり旧宅の浴室と比べ大して広くない。もちろん実用的には十分だが本当にぜいたくをするつもりならグレードを落としてでも1.5坪タイプを選ぶのが正解だったようだ。もっとも、具体的にどこを削ってそのスペースを生み出すかというとなかなか難問だが。

5 サッシ
 
FPではもっとも一般的なシャノンの白を選んだ。樹脂なので確かに触った感じは暖かみがある。内枠も外枠も幅広でごついのが特徴だ。これを見慣れると一般のアルミサッシがいかにも華奢に見えてくる。構造上の開口面積に比べ実際の採光面積が狭いのが欠点だがそれはやむを得ないところ。広縁の庭に接するサッシは引き戸を採用したが、引き戸は最大でも構造上の開口面積の半分しか有効な通風面積を確保できない。本当は一間程度の幅で全面開放になる開き戸、ないし折り戸にしたかった。シャノンではそのような製品はまだないとのことである。他社ではすでにあるようなので(積水ハウス等)、シャノンもいずれ新製品として発売するのは時間の問題と思うが、さすがにそれまで待っているわけにいかない。

6 床暖房は無し
 FPは室内の上下温度差が少ないことを見越して床暖房は設置しなかった。床暖房設備は結構高く、もし全室床暖房にすれば相当な金額になるし、当然工期も伸びる。FP等の高気密高断熱住宅にすれば、設備費もランニングコストもはるかに安く、耐久性も優秀、温度調節も容易な蓄熱暖房機のみで、床暖房を設置した場合と同様の快適性が手に入ると考えた。床暖房は当然ながら冷房費の節約には全く貢献しない。一方、高気密化により冷房費も節約できる(夏は室内外の温度差は冬ほど大きくないのでQ値の差は冷房費にあまり関係しない。むしろ水蒸気の侵入が問題になるのでC値の差と日射制御が冷房費を決める)ことも合わせて考えると、FPのような高気密高断熱住宅は中途半端な気密断熱の住宅に床暖房設備を加えた場合より結果的にかなり安上がりになるのではなかろうか。

7 キッチン
 キッチンはタカラスタンダードを選んだ。ただ、食洗機はビルトインタイプをすすめられたが現有品のナショナルの卓上タイプを新居でも使うことにし、分岐水栓のみ設置してもらうことにした。ビルトインタイプは価格が高いこともあるが、シンクから食洗機を経て食器棚へという食器の流れを考えた場合、作業者は食洗機に向かう際いちいち腰をやや曲げ顔を下に向ける必要があるのが気に入らない。6人家族のわが家の場合一食に使う食器は箸等も含めると多い時は50個以上にもなる。となると食洗機に入れる時と食洗機から出す時を考えると最高一日300回下を向く必要が生ずる計算になる。盆や正月で来客があったときなど軽く一日400回を越えるだろう。卓上タイプで正面を向いて作業できるのとは作業の負担や能率が大違い。水道代、電気代といったランニングコストも卓上タイプが安いし、故障してもすぐ取り替えられるという利点もある。食洗機利用歴7年半の私が言うのだから間違いはない。タカラのおねえさん、ショールームで木槌でほうろうパネルをたたいている暇があったらそのあたりを社長に進言してほうろうパネル装備の卓上食洗機を開発してもらいなさい!

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