せっかくだから俺はFPの家を建てるぜ!
カウンター(平成18年12月9日サーバー移転により新規カウント開始)
更新履歴 目次はこっちだ!
一年半住んでの感想を追加(平成17年5月23日)
悪い家リンク集にTomorrow bless our homeを追加
家造りに関する本感想文に人を活かす木の家 木の家を活かす人、月刊ハウジング、マンガでわかる家づくり、マンガでわかる家づくり2、はじめての家づくりの五冊(誌)を追加
リンク先に株式会社中村工務店を追加
一年間の光熱費総決算を追加(平成17年2月21日)
すわ地震! 我がFPの家はいかにを追加(平成16年11月3日)
猛暑、FPの家の住み心地はいかに を追加(平成16年9月28日)
はじめに
このページはもともと住宅業界には縁もゆかりもなかった新潟県に住む一介のサラリーマン、私メディカル越後が、ふとしたことから現在日本で建築可能な戸建て住宅で最も高性能な工法はFP(フレームアンドパネル)工法であると確信するに至り、実際に「FPの家」を建てるまでの個人史を綴ったページです。折に触れて更新し、これからFPの家を建てる方の参考になるページにできればと考えています。なお、FPの家についてよくご存じで無い方は最初にFPグループ総本山である松本建工のサイトをご覧下さい。早速、私がFPの家を知る以前の、建て替えを決意するに至る過程から話を始めます。このページはリンクフリーです。せっかくだからどんどんリンクしてください。
FPの家具体化の時代(平成15年〜)以下の項目は別ページです。
建て替え前の我が家は本体築四十ウン年、それに4回の増改築を経た、昭和30年代に開発の始まった新興住宅街のわが界隈では最も古い家の一つである。昭和39年の新潟地震にも壁に少しひびが入った程度で耐えたこの家はそれなりに住み良く、たび重なる増改築や設備増強、古い家具等の廃棄や臨機応変な再配置、ふだんの整理整頓の効果もあって生活するには特に差し迫った問題もなかった。太平洋戦争で開戦当初から終戦まで改良を重ねぼろぼろになりながらも最後まで頑張った零戦みたいなものだ(場違いなたとえだが)。しかし、零戦も最後は基本設計の古さでムスタングやグラマンヘルキャットなどアメリカの最新戦闘機群にはどうにも歯が立たなくなったように、わが家も当初の設計が夫婦子供二人程度の核家族向け(今で言うと2LDKくらい、当時はこのくらいの広さに四人が住むことは当たり前だった)であることに加え、時代の変化(建築当時は家庭電化がこれほど進むことは想像してなかった)、老朽化はいかんともしがたく両親と我々夫婦、それに子供二人の計6人が暮らしていていくにはさすがに細かい点でなにかと不便も出てきた。特に問題は外観である。この建物で最初に出来た本体の板張りの外壁は意外に劣化が少ないのだが、昭和30年代から40年代にかけて2回増築した部分のトタン外壁は見るも無惨な腐食がある。機能的にも電気が30アンペア(これでも10アンペア増強した後です。つまり建築当初はなんと20アンペア!おまけにコンセントのない部屋もある!)しか使えず、ブレーカー落ちが日常茶飯事だ。妻はこの見た目ボロ家を壊して今風の見栄えのする新しい家に建て替えたいと以前から思っていたようで、2人目の子が生まれた後ははっきり口にすることも多くなっていった。当初はお金の問題もあり、また私自身生まれ育ったこの愛着のある家を壊すのは忍びがたく、さらなる増築アンドリフォームか、建て替えかで話し合いが続いた。そうこうしている間にも家の老朽化はさらに進み子供も成長して、なんとかなりそうな貯えもできた時点でようやく建て替えという方向で話は進みはじめた。
この頃は休みの日にしょっちゅう住宅展示場めぐりをしていた。まだよちよち歩きの長男と一応歩き回れるだけに放っとくと階段から落ちる心配もしなくてはいけない長女をつれての展示場めぐりはなかなか骨の折れる仕事だったが、それなりに得る物も大きかった。間取りや設備、住宅の基本構造などの知識を実地で得るという機会は初めてだっただけに大いに勉強になった。阪神大震災の惨状がまだ記憶に新しかったこともありそのころの私の関心はもっぱら耐振性、耐火性、耐久性に、一方妻の関心はその時々の社会情勢とは何の関わりもなく、終始一貫して住宅の外観と間取り(特に収納)に向けられていたと思う。最初は工期も短く工程的にも工場での規格生産品なので品質の安定した鉄骨ユニット工法のHに興味を持ったが、さらに高度の堅牢さを追求した軽量気泡プレキャストコンクリートパネル工法のPにかなり心を動かされた。なにしろPの構造体は基本的に鉄と石だから火がつかない上に、場合によっては地盤改良まで行ない基礎からしっかり作るから耐振性も抜群という。これぞ家族を守る究極のシェルターと思った。そのころ私が単身赴任先で住んでいたマンションはコンクリートづくりだったので石造りの家に違和感がなかったこと、モデルハウスの堂々たる風格やパンフレットの美しさ、営業マンの誠実なトーク、派手に流していたテレビコマーシャル(当時の理想のパパ出演、そういえば最近Pのコマーシャルあまり見ないね)も効いていたと思う。営業マンといえば展示場や見学会でアンケートに応じ、住所等を書くと自宅まで訪問されるようになったことも忘れられない。建て替えなので既に土地が確保されていることに加え、現住居の素晴らしい古さ加減や前の道路の広さ(大手の建築には大型のトレーラーや重機が活躍することが多く、一般論として周囲の道路は広いほど有利)から、さぞかし上客に見えたことだろう、特にPの担当者は当初こちらも乗り気だったこともあり熱心に通って来た。また見学会でI工務店の新築住宅を見てアンケートを書いたら、夜分男女ペアの営業マン(アンド・ウーマン)が突然訪問してきたこともあった。しかし、よくよく考えると母親と一緒の布団でないと眠れない子供にはまだ独立した部屋など必要ないし、家の価格を耐用年数で割ったいわば住宅の減価償却費やローンの金利負担、新築により高くなる固定資産税を算出すると多少補修にお金をかけたにしても今ある家を出来るだけ長く使えば得であることは間違いない。それに妻はコンクリート住宅には当初は抵抗感があった。もう少しじっくり考えてみよう、近い将来必ず作りますよというポーズを妻にみせつつ時間をかせごう。私が趣味としている将棋でも取られる寸前の駒が一番働いているというではないか、いわば今一番良く働いているこの家を壊すのはもったいないという生来の現実的な考え(人はケチともいう)と、どこかにもっといいものがあるかもしれない、あるいは将来できるかもしれないという生来の慎重な考え(人は優柔不断ともいう)の二つが、後述のFP住宅との出会いを生み出すことになり結果的に幸いした。さて、ここからはifの話だが、もしここでローンを組んでそのころの希望通りにPで建てていたらどうなっていただろうか。妻も私の希望に添ってコンクリート住宅でいいと妥協しつつあり資金的にも可能だった。メーカー選びにもいささか疲れかけており、ここらへんで決断して楽になりたい、という気持ちもあったから大いにあり得たifである。バブル崩壊からやや年数は経過していたとはいえ、ローン金利も高く、工賃も材料費もデフレの今より高かっただろう。住んでからは気密、断熱性能の低さによる冬場の寒さ、夏の暑さに辟易しつつも新潟の気候というのは、そしてそもそも家という物はそういうものなんだと自分を納得させていたかもしれない。しかし、寄る年波で暑さ寒さが身に応えるようになる頃、ホンモノの高気密・高断熱住宅の快適さをどこかで知ったとしたら、子供が独立しローンを完済した頃にまた建て替えたくなるだろう。多分その頃はもう年金収入しかないのに、計画的人生よりいきあたりばったりの人生を選んで無理に建て替えてしまい、住宅貧乏まっしぐらなんてことになったかも・・・・。もちろん先のことだからFPの家に全く問題がないかどうかも数十年後でなければわからない話だが、年取ってからの住宅貧乏というのはあまり楽しくない想像ではある。
そのころは本屋に行けば必ず住宅関係の雑誌や書籍を立ち読みしたり、気に入ったものは買ったりするのが習慣になっていた。そんなある日のこと、新潟市の紀ノ国屋書店で足立博氏の本との運命的な出会いをしたのである(考えてみれば住宅建築のことを真剣に勉強し始めた者が氏の本にたどりつくのはほとんど必然だが)。氏は執筆当時新潟県新津市で塾の経営やピアノの調律などをしながら建築に関しては素人の立場から住宅に関する評論や執筆活動を行っていた人で、現在は東京にお住まいで特にFPの家に代表される高性能住宅の普及を熱心に訴えておられる。元々は物理学がご専門で熱力学にもお詳しいとか。最初は、ほう、この本新潟の人が著者か珍しいな、しかし大して厚くもない割に高い本だね、おまけにメーカーハウスの実名を挙げて、特に自分が当時入れ込んでいたPについて辛辣に書いてある、こんなの売っていいのかよ、という感じであまりいい印象はもたなかった。しかし、ページを繰るほどに著者が実によく勉強しているらしいことがわかり、まずは購入してじっくり家で読むことにした。そして、ぐいぐいと引き込まれるまま読み、この本にはまさに突き動かされるものを感じることになる。特に以前からたびたび耳にしていた気密性能、断熱性能をあらわす数値のC値Q値について、いかに当時の(実は今も大して状況は変わってないが)大手が無関心であるか、あるいは関心があってもなぜ表示できないか、理由がよくわかった。要は数値が悪くて表示できないか、お客が関心がないか、そもそも測定(Q値は計算)していないのである。例えばそれまで私が最良と信じていた軽量気泡プレキャストコンクリートパネル住宅のP、空気を含んでいるので断熱性能は普通のコンクリートに比べ何倍というのは正しいが所詮石である。グラスウールやセルロース、発泡スチロールやまして硬質ウレタンといったホンモノの断熱材とは比較にならないほど貧弱な断熱性能しか持ち得ないことがこの本では数値をもって示されている。自分も大学の教養の物理でエントロピーやらエンタルピーやら卒後ウン十年の今となっては全て忘却の彼方とはいえ、一応初歩的な熱力学は習った。もともと科学全般には関心があるしその後も広く教養を深めているつもりだった。しかし、とんでもなく額の大きい買い物なのに、Pには上手に誘導されそのまま流れに乗っていたら契約まで至るところだった。自分達夫婦が住宅メーカーの選定に当たって丈夫さ、外観の美しさ、間取りのみを重視し、数値で表される快適性能をいかに軽視していたかを大いに反省した。大体核戦争に備える訳じゃなし、たいていの火災は市街地であれば消防車が通報後15分もすれば来るから耐火性能など外壁材や窓(位置と大きさ、雨戸、難燃性カーテンや耐火ガラスの採用)、内部の防火区画の工夫などで避難のための時間が少し稼げる程度でいいのだ。また住宅の防火性能は構造体だけの問題でなく家財、保存してある燃料等の問題もあわせて考える必要があるだろう。耐振性だって最大級の地震が来たときに最低限倒れない程度のものがあればよく、それは阪神淡路大震災後に基準を満たして造られた木造住宅なら安心だ。個人の住宅に完璧なシェルター機能など不可能だしその必要もない。まして、デザインなどはコンテストに応募するわけじゃなし、そこそこ見苦しくなく町並みに調和していればよいはずだ。そんなものに心を奪われていた浅薄な自分達に腹が立つとともに逆恨みかもしれないがそのように素人を誘導する住宅業界のあり方に疑問がわいてきた。営業マンや展示場の戦略、そして、ついそれに乗せられてしまう客の心理も我が身を振り返れば、まさに氏の本に書いてある通りだったからだ。
各住宅メーカーは自社の製品を売るのに一生懸命だし、組織が大きいだけに今までのさまざまなしがらみ(従業員、工場設備、既に買って住んでる人、関連の業者、御用学者、社全体としての目的意識や成功体験、ブランドイメージ等)があってたとえ時代の変化に気付いても簡単に方針を変えられない。建築学の専門家もこれまでどちらかというと公共の建物や、民間の大型建築物に力点を置いており個人住宅の分野は手薄になっていたと思う。その少数派たる個人住宅を得意にする先生方にしても意匠やデザインの工夫には詳しくても壁の裏に隠れる断熱材やそれによってもたらされる快適性能という、形で表せない地味な分野に目を向ける人は少なかったように思う。そもそもそういった専門家の諸氏にしてもご自身が集合住宅に住んでいたり、たとえ戸建てでも性能という点で一昔前の住宅にしか住んだことがなければ、今後の日本の戸建て住宅がどうあるべきか、現在の経済情勢、技術水準、生活様式の中でどこまでが可能なのか、必要なのかという実感を持つのは難しいかもしれない。一方、家を買った人も大体は一生に一度の買い物だから、性能の低い家でも高性能住宅と比較する機会がなければその欠点を実感することはないし、たとえ多少失敗したと思ってもあたかもある種の宗教に入信したかのように自分で自分を納得させ、時に他人様にそのよさを心にもない自慢までしつつ住み続けることになる。つまりユーザーの側からの客観的な発言も多くないわけだ。足立氏が素人ながら的確な評論が可能だったのは、メーカー、学者、ユーザーからなるこの三すくみのニッチ(すきま)に住宅性能に関する新しい知識の需要があったからに他ならない。結局この本の代金わずか1400円が、将来の数千万円の無駄な買い物を止めてくれた訳で私の一生の中でおそらく最も効率のいい投資であったといえよう。著者である氏には感謝の言葉もない。
さて、後日談である(ただし、この辺の時間の前後関係は今となってはちょっとはっきりしないところもある。つまりPに惹かれつつも最後の決断を少し保留していた時期なのか、FPを知った後なのかがはっきりしない。ここでは便宜上もっともありそうなストーリーとしてFPを知った後の出来事として述べる)。この時点で私の関心はPからは完全に遠ざかっていた。しかし、そのことをはっきり話していなかったのでPの営業マン氏はその後も時々わが家に通ってこられた。そして一向に話が進まないことについに業を煮やしたか、こちらが頼みもしないのに突然かなり具体的な間取りの案を提示してきたのには驚いた。いつ調べたのか、かなり正確なわが家の敷地の図面にその間取り図が乗っている。こちらの希望や生活の実態を全く知らず、家族構成と敷地の形状というわずかな情報をたよりに作ったその間取りがわが家の一同に不評なのは当然だったが、私もさすがにこのままにしておくのは申し訳ないと考え「当分建てる予定はない、もう訪問はしないで欲しい」旨を告げた。その後は年賀状や見学会の案内等がしばらく送られてきただけだった思う。しかし、良く考えたらこういう一連の営業経費は最終的には全部Pで建てた皆さんが少しずつ負担しておられる訳である。私はもっと早く態度を鮮明にすべきだった。そして、さらにしばらく経ったある日、届いたダイレクトメールには見慣れた陸屋根の屋上に小屋組をのせた妙な形の新商品の絵があった。それはおそらくは住宅の断熱性能を重視しはじめた時代の流れに抗しきれず、二階天井からの輻射熱を無視できなくなったPの変わり果てた姿であった。本来は屋上庭園も可能なはずの陸屋根にちょこんとのせた切妻屋根は、何となく不格好で火事でも地震でも台風でも来い!と構えたあの堂々たる風格はもはや感じられなかった。その姿は私にとっての大手時代の終焉を象徴的に表すものとなった。
ここで少し話を戻し、私自身の大手時代の総括として、大手で家を建てることの利点と欠点をまとめておこう。実は大手で家を建てた経験のない私がこんな話をするのもおこがましいのだが、いくら私がコンバット越前(私のハンドルネーム、メディカル越後の由来となったセガサターンのデスクムゾンという知る人ぞ知る不思議なシューティングゲームの主人公)なみに冒険心旺盛でも「せっかくだから俺は大手でも家を建てるぜ!」と言うには智恵と力と資金が足りない。それでも各メーカーの営業マンとの接触だけという乏しい経験ながら、かつてのおのれの無知をさらしても家造り超初心者のために一言いわずにおれないのである。
まずは利点その一 情報がとりやすい。
会話例、うちも、毎月家賃払うのもいい加減馬鹿らしくなってきたな。いずれ子供部屋も必要だしそろそろ家を建てるとするか。まずは情報情報と。住宅雑誌はあした会社の帰りに買うことにして、ネットで情報収集してみよう。ほー、いろいろ出てくるね。テレビでCMやってるようなとこは全部ホームページがあるんだな。こりゃ、便利だ。そうだ、今度の休みに住宅展示場に行ってみるか。
利点その二、全国組織で情報を収集・発信できるので出来上がりにある程度の標準化が期待できる。特にデザインに関しては初めから外観をイメージできる。キムタクと似ても似つかぬこの私も美容院にキムタクの写真を持っていって「このとおりにお願いします」といえばおんなじ髪型が完成するのと同じこと。似合っているかどうかはともかく。試しにどれでもいいから大手のwebサイトを見て下さい。これでもかとばかり美しいデザインがしかもかっこいい洋風の名前をつけられて並んでいるのに圧倒されることでしょう。
会話例、見てあなた、私こんな家にすみたかったのよ。○○様式(ここには欧米の素敵な住宅様式の名前が入る。まちがってもアフリカや東南アジア、中国、朝鮮半島等の住宅様式は入らない)ですって、ステキ。収納もたっぷりあるからたくさんお買い物しても安心ね。ねえあなた、早く建てましょうよ。
利点その三、大手メーカーだから何となく安心できる。技術的に水準も高い。
会話例、近所の××工務店なんかこの不況でいつつぶれるか判らないし、その点○○なら旧財閥系列の上場企業だから安心だよな、まさか○○がつぶれるわけないよね。それに○○って大学生の就職希望ランキングで結構上位らしいぜ。頭のいい連中集めてきっと研究所発の最新の技術で住宅作ってんだよ。ほら、見ろよこのパンフレット、なんか難しくてよくわかんないけど技術力たかそー。回りの木造が丸焼けなのに○○だけ焼け残ってる写真もあるよ。そういえばこの間買った住宅雑誌にも○○の施工例載ってたな。あれ持ってきて。
利点その四 価格がわかりやすい。
会話例、展示場で営業マンが言ってたけど○○って坪○十万から出来るんだって。それなら頭金くらいなんとかなりそうじゃない。毎月の払いも今の家賃と変わらないし、いっそ今年中に建てちゃおか。
なんかメーカーハウスの利点といいつつ、既に悪意に満ちた文章になっちゃいました。では、ひとつひとつ反論することによりメーカーハウスの欠点を明らかにしていきましょう。
利点その一「情報アクセスの容易さ」
家を建てようと思って情報収集をはじめると各種情報がまさに洪水のごとく集まることでしょう。しかし、多角的に情報を収集しているつもりでも、あなたが家と職場との往復ばかりで地域とあまり関わりを持たず生活している人だと集まるのは大手の情報がほとんどだ。しかも知らず知らずに刷り込まれたテレビコマーシャルや新聞広告の効果で、せっかく入手した大手以外の情報も、あなた自身が大して意識もしないで捨ててしまうことさえある。建築の世界では腕の立ついい業者でも積極的に情報発信していない方も多い。つまり、発注側のちょっとした努力と工夫で情報を丁寧に取捨選択していくことにより、そういう業者を発見できる面白味もある。
利点その二「出来上がりの標準化とデザインの優秀さ」
たしかにデザインやネーミングセンスという点では大手に一日の長がある。というのもデザインにしてもネーミングにしても一種のデジタルコンテンツであって、一度創ってしまえば何回使っても減らないから最もスケールメリットを生かせる部分だからだ。しかし個人の住宅にとってデザインや商品名ってそんなに大切なのか。外観など住んで一週間もすれば見慣れてしまう。まして気取った洋風の商品名など何の役にも立たない。毎日住むことを考えればそれらよりもっと大事な物があることに気付くはず。それは性能だ。その視点で大手の各webサイトを見てみると、私が見た限りではC値Q値や換気システム、断熱材の種類や厚さを明確に公開しているサイトはほとんどない。
でも、これだけ情報公開が進んだ世の中で、そんな大事なことにほとんど触れないままなんてことが許されるのだろうか。あとこれは買う側の問題でもあるけれど住宅を商品としてイメージで売り買いするのはいかがなものか。そういった買い方は自動車くらいまでは許されると思うけど住宅はあまりに大きな買い物であるだけに、結局日本の住宅を見た目良し基本性能貧弱という現状にとどめてしまうことになるだろう。団塊の世代が一斉にマイホームを求めた時代なら均一な商品(あえてそう呼ぶ)イメージの元、同じようなのを多く売ることでスケールメリットも生じたろう。だが、今や個性化の時代だし、少子化で新築住宅自体少ない。部材の流通もコンピューターによる生産及び在庫管理の徹底等で多品種少量生産、在庫削減が可能になってきた。宣伝を原動力にした規格品大量生産という大手のかつてのやり方はもう無理があるのでは。現に有名大手でも経営危機がささやかれているところもある。逆に地域のよく勉強している工務店の方が小回りが利き、新しい技術、輸入部材や進んだ住宅設備の積極的導入、口コミによる販路拡大等、時代の変化に適応しているように思う。また、利点その四の項でも述べるが肝心のデザインにしたって大手のイメージ通りのものを造ろうとしたら展示場並の余裕ある敷地が必要な上、住宅本体のある程度以上の大きさとオプションの数々で相当な値段になってしまうことも忘れてはならない。
利点その三 「大手だから安心」「技術も安心」「木造より強い」
特に大きな組織に属して日々仕事をしているサラリーマンは、自分の中に隠れている「寄らば大樹の陰」意識に注意しておいた方がいいでしょう。よく言われることだが大手は部材は工場からの供給品でも実際に施工するのは多くの場合地域の契約工務店だ。大手が優れているのは主に企画力、デザイン力、宣伝力、営業力、均一な部材の供給といった点で、繰り返し言うようにそれらは個々の住宅の性能とは直接関係ない。むしろ、大手が構造体に多く用いている鉄骨はそれ自体が熱伝導性が極めて高くヒートブリッジ(熱の通り道)になるため、断熱材の厚さと種類が同じならば木造と同様の断熱性能を得るにはかなりの工夫が必要だ。また、意外なことだが材料の強さ(引っ張り、圧縮、曲げの限界応力)も単位重量あたりで言うと木材は鉄筋コンクリートや鉄に比べ決して劣っていない。そもそも住宅に鉄を使うこと自体、構造体としての適性より、木より鉄の方が規格品大量生産・広域流通に適しているという生産側の論理に基づくものに他ならない。さらに究極の耐火耐震性能を求める人向けの鉄筋コンクリート住宅にしても、前述のとおり、現状では大手の鉄筋コンクリート住宅に良好なC値Q値を期待することは難しい。耐火性能についても、これも前述の通り木造軸組住宅でも大分改善できるし、オール電化にすれば内部失火の可能性は減るだろう。それに、多くの人が一生に一度も被災しない火災や大地震に備えるために毎日の過ごしやすさに直接関係する性能を犠牲にする考え方に私は賛成できない。
また、大企業だから安心(会社がつぶれない)という考えにも昨今の経済情勢から同意はできない。むしろ例えばFPグループは総合保証制度の一環で個々の工務店に万一のことがあってもグループに属する他の工務店が工事を引き継ぐことを保証しており、一企業の盛衰を心配する必要が無いという意味ではより安心だ。
利点その四 「価格がわかりやすい」。
C値Q値で代表される快適性能にはいささかうとい営業マンも坪当たりいくらで建つかと聞くと必ず答えてくれる。しかし前述の通り展示場やカタログで見たようなステキな家を建てようと思ったらとてもそれではおさまらない。オプション、オプションの連続で予算はどんどん膨らんでいくという。いかに最初客がとっつきやすい価格を提示してその後予算を膨らませていくかが営業マンの腕の見せ所だそうだ。もっとも、これは私は経験した話じゃないのであくまで推測の域を脱しないが。もうひとつ、当たり前だが、展示場、カタログの豪華な家具、カーテン等は食器のはてにいたるまで通常単なる飾りであって、家造りに必要な冷静な判断力を狂わせる邪魔な視覚情報に過ぎないことを常に認識しておくべきだ。
FPの家具体化の時代(平成15年〜)
以上の曲折(たいした曲折ではないですが)を経てFPの家を建てました。実際FPの家に住んでみての評価、感想等は近日中に報告します。機会があったらまた、当ページをご訪問下さい。
新潟県在住の40代サラリーマン、二児の父。ハンドルネームはデスクリムゾンというセガサターンの不思議なゲームの主人公越前康介のコードネーム、コンバット越前を自らの住所と越前の本業(医師)にあわせて変えたもの。なおデスクリムゾンはその不思議なテイストで一部のゲームフリークに多大な影響を与えた。くわしくは検索エンジンにデスクリムゾン、またはデス様と入力してみられたい。当ページの赤字の部分はこのゲームのマニュアルにある印象的な言葉をあえて再現したものである。
参考文献
理想の高気密・高断熱住宅 足立 博 エール出版 1700円
私が最初に買った足立氏の本、すなわち本文で述べた私の住宅に関する考え方を根本的に変えた本の名は「良い住宅・ダメな住宅・ムダな住宅・98年版」だが、氏の本はどれも結論はほぼ同じなので一番新しい「理想の高気密・高断熱住宅」をお勧めする。まさに目からうろこが落ちる本。これから住宅を建てようという人、特に大手以外の情報にあまり触れる機会のない人には必読だ。氏のホームページもあわせてご覧下さい。
リンク先
創研究所さん発行の季刊誌われらFP家族のホームページ。近刊の紹介のほか当ページも加えていただいているリンク集、掲示板などがある。なお、季刊誌われらFP家族はFPの家の施工例を施主さんの感想とともに載せているほか、テーマは広く衣食住全般にわたっており健康住宅やその住まい方に多少なりとも興味がある方には必読の雑誌だ。
家造りに関する日本最大の総合サイト。ただいま建築中のコーナーをはじめ、コンテンツは豊富で建築の基礎知識から法律、金融までまさに家造りに関することで無いものはない。有料のサポートサービスは日本の住宅産業をよりよくするためのあたらしい試みだ。家造りを始める人には必須のサイト。
こちらも当サイトがリンクしていただいている家造り体験談のリンク集。分類が詳細になされているのが特色で必要とするサイトを見つけやすい。
今回わが家を建てて下さった建築会社。社長の伊賀義輝氏はオール電化に詳しく、住宅のオール電化推進のため関連の建築会社、建築設計事務所、電力会社等が組織した、新潟未来のE家作る会の会長もつとめておられる(平成15年度現在)。
伊賀建設自体は失礼ながら決して大きい会社ではなく、わが家の工事も提携する他社の大工さんが棟梁をつとめた。しかし、組織が小さい分小回りが利き社長とは直接設計の段階からじっくりお話をさせてもらった。以前書いたとおり、家は一度建ててしまうと二度と建てられない高価な品物だから、施主としては自分の家に対し客観的な評価を下すのは難しい。なぜなら支払いの対象となるその商品が、特にサラリーマンにとっては日々の労働の対価として得た一生に二度と用意できない大金に見合う価値がないと自認することは、大げさに言えば自分のこれまでのそしてこれからの苦労を否定するに近いことだからだ。また、商売とは言え自分たちの住まいのために暑い日も寒い日も一生懸命頑張って下さった人たちの顔を思い浮かべると、多少のミスは勘弁しなければと言う気持ちになるのは当然だ。不肖私もその立場になったわけだが、あえてわが家に客観的な評価を試みるならば、やはりこの会社で建てて良かった、と言う結論になろう。もちろん特に前半の工事が大幅に計画書より遅れ、素人目から見ても工程的に若干問題ではと思われる箇所もあったこと、照明の省エネはもっと積極的にアドバイスして欲しかったこと、打ち合わせでは内容をメモに残して欲しかったこと(仕方ないのでこちらの備忘録も兼ね、打ち合わせごとに当方から現場監督氏宛メールを送っていた)、等細かい点での改善の余地はあるが、数値で表される気密・断熱・換気性能も含め出来上がりは申し分無いし、値段的にも頑張ってくれたと思う。諸般の事情でFP以外の住宅も手がけておられるようだが、現時点でFPの名に恥じないおすすめの工務店と言っていいだろう。
株式会社中村工務店
大阪府阪南市でFP工務店を営む中村工務店のサイト。
若干更新頻度が低くとうに終わったイベント情報がのったままという愛嬌はあるもの の、宣伝のみに陥らず優れた住宅を建てるにはどうしたらよいか、という一般論から
説きはじめその有力な選択肢としてFPがあることを未来の施主にわかりやすく説明 してくれる大変貴重なサイトだ。文章能力がそのまま工務店としての実力と比例して
いるというわけでもないだろうが、施主候補として名をあかし実際に接触する前に住 まいづくりに対しこのようなきちんとした考えをお持ちであることが確認できれば当
然その工務店への信頼感も高まることだろう。